この断熱材は熱抵抗値が低い優れた断熱材です!
はい。そのセールストーク、特に問題ありません。
しかしそこに抜けているのが「厚み」と「施工精度」
下図な感じの比較を良く目にするかも知れません。
こちら旭化成ネオマフォームの紹介Webより(クリック可)
断熱材の一種 いわゆるフェノールフォームですが、熱伝導率が0.020W/m・k(グラフ赤棒)と群を抜いて低いので、うちで標準的に使うHGWの0.038(グラフ黄棒)や他の断熱材よりも優れています!と言う表です。
確かに素材の熱伝導率のみを比べたらその通りです。
しかし住宅(例えば壁)は色々な素材で構成され、厚みが違えば施工精度も異なる事は容易に想像できるでしょう。
そこで、標準的な壁の断面構成が ↓ こちら(クリック可)
左がフェノールフォーム65mm充填断熱で、右が弊社標準HGW120mm充填+HGW50mm外張り付加断熱の断面。
フェノールフォームの壁構成には、40mmほど流動するだろう空気層がありますが、そこは目を瞑るとして(笑
いつもの様に分かりやすく熱抵抗値で比べてみましょう。
※通気層は含みません
※木材の熱伝導率は0.12Wとして算出
※防湿層は加味しません
※熱抵抗値「R」は数字が大きいほど熱を通しにくくなります
では良く比べられる「断熱材透過部分の熱抵抗値」A部分
◆フェノールフォーム「A」部分 R値=3.25㎡・K/w
◆高性能グラスウール「A」部分 R値=5.11㎡・K/w
※ちなみにフェノールフォーム45mm厚だと R値=2.25㎡・K/w
フェノールフォームより弊社標準HGWの方が性能良いですね。
素材の性能値だけでは無く、構成によって断熱性能が変わる事が分かります。
大切なのは厚みと施工精度です。
で、参考までに上図の「B部分」は柱貫通部分になりますが(緑断面)そこ比べてみると
◆フェノールフォーム「B」部分 R値=1.41㎡・K/w
◆高性能グラスウール「B」部分 R値=2.94㎡・K/w
あれま、性能値が悪いハズのHGWですが、B部分も当たり前に フェノールフォーム45mm充填部分より断熱性能高いですね。
弊社が外張り付加断熱を標準とするのはココなんです。
住宅の壁は断熱材だけで構成されている訳ではありません(笑
単純に10mの壁があれば、そのうち1.53mは「B」の構成となります。
普通に考えたら横架材(梁)なんかもその構成ですね。
となると壁全体の2割以上は「B」となるので、断熱材の個別差異より更に大きなファクターとなります(笑
何が言いたかったかと言いますとw
断熱材に限らず使う素材は、単体の性能値や優位性だけで無く、トータルバランスが必要だと言う事です。
もちろん、そのバランスには「コスト対比」も重要な位置を占めますよ。
同じ性能値(恩恵)なら安い方が良いですもんね。
総括しますと
断熱材は個別の性能値の前に「厚みと施工精度」が重要です。
経年精度なんかも大切なのですが、まずは最初の一歩。
アディ押忍。
【 ハウジングアイズ 】では、飛騨高山にてパッシブな高断熱思想を用いて、恒久的な省エネ快適住宅を御提案しております。