いつも言ってる事だけど
南面に大きな開口作って太陽光パネル載せたら
住宅は弱くなる一方な訳で 丁寧な構造検討は最重要課題。
最近ではアルミでは無く樹脂製窓になり
ペアガラスからトリプルガラスも増えてきているハズだし
窯業サイディングなんて以前は12mmだったのに
ここ数年前から15mmになって益々住宅は重くなっている今。
さっき届いた業界紙「新建ハウジング」に衝撃データが(クリック可)
ZEHレベル(太陽光搭載)の家を調べた所、重い屋根(瓦)の家に比べ
約1.6倍重くなっていて 更に1.7倍地震力が大きくなっているとの事。
(社会資本整備審議会データより)
これね 構造まったく考えてない
ナンチャッテデザイン住宅とか本気でヤバいレベルですぞ。
構造はちゃんと正しい数字と計算を担保しましょう。
いつも言ってる事ですが
耐震や断熱はイメージで無く 根拠ある数字で比べるべきです。
家は大切な資産。
住宅ローンを負の遺産にしてはイケません。
アイズの人気パターンご紹介。
こちら某様邸 建物の南側
大きな開口がパッシブに太陽エネルギーを取り込みます。
ここまで開口設けても積雪乗せての耐震等級2をクリア。
で 何が人気パターンかと言えば2階真ん中の窓が特徴的。
変な所に窓が付いている感じですが これの断面がこちら。
リビング吹き抜けを上下半分に割って 吹き抜け上部にロフトを設置。
こちら高さ1.4m以下にて 吹き抜け同様「課税対象外」となります。
そう 脱法ハーブ的な←違う違うw
プチ吹き抜けにて 冬季の日射を取得した上でのロフト設置。
収納の他 結構人気なのがご主人の書斎(こもり部屋)だったり。
そのプチ吹き抜けを室内から見るとこんな感じ。
ちょっとだけ吹き抜けた上がロフトになってます。
良いでしょ^^
アイズ ロングポピュラーパターン(そんな言葉あるのか・笑)
夏季は大きな軒とバルコニーで日射遮蔽を行い
これからの季節はイッパイの太陽を愉しんでください^^
アディ押忍
外周/柱直下率100%の図
ここでも良く取り上げますが 柱直下率とは上階の柱下に下階の柱が存在している比率の事。
まったく壁がズレているなんてのは問題外ですが、最低でも50%以上は必要でしょう。
その直下率。
直下率が高いと耐震的に有利になりますが 実はコスパも良くなるのです。
↓赤線で入れた「梁」は上階の重さを支えますが
それに比べて黄色矢印の「桁」サイズが小さいでしょう^^
最初の画像に丸入れましたが、↓ 青丸で囲った横架材が「桁」
緑丸は下屋の差し掛け屋根の桁なので、関係無いですよ^^
そうです。梁が受けた重量+上階の柱に掛かる鉛直荷重もダイレクトに階下の柱が支えるので、柱上の「桁」サイズが小さく出来るのです。
これ外周だけの話では無く、内部の壁や柱にも同じことが言えます。
同じ面積なら、同じ強さなら、同じ空間なら、安く安全な方が良いですよね。
丁寧な構造検討は耐震だけでなく「コスト」にも効いてくるのです。
って訳で、ここも試験出すぞー。
ちゃんと復習しとけよー(笑
この小屋の横架材が曲がっている事分かりますか。
長期にわたる上からの荷重が作用し
黄色部分の梁の「たわみ」が大きくなってくる現象で「クリープ変形」と言います。
これが大きくなりすぎると梁が壊れる事になりますが
そんな事の無い様に本来は構造計算しなければイケません。
てかですね
そもそもこんな無理な力が掛からない様に設計すれば良いだけなのですが
それがここでも何度も出てくる「直下率」の検討です。
例えば上の小屋の柱の下が開口では無く 柱だったら
そもそも梁は曲がりませんね。
まぁ 曲がらない様 梁を大きくすれば良いのですが・・
そうです。
わざわざお金出して構造弱くしてるなんてモッタイナイ訳で。
そんなこんなで今回も直下率。
こちら売りに出ていた中古住宅の平面ですが
なんか無駄に玄関広すぎだなぁとか
こんな屋根無しバルコニー メンテ掛かるなぁとか
グルニエってフランス語で クロゼットは英語やんとか
LDKも間延びしちゃって・・そもそも短辺2間半(4550mm)も飛ばしたら、構造的にもコストパフォーマンス悪すぎだろ・・とかそーゆー事では無く(笑
↓ 2階の角を併せてみました。
黄色い線が直下に壁がある線で
赤い線が直下に壁が無いと言う線(クリック可)
どうです?けっこー無駄と無理が見えるでしょ。
特に青い丸を入れた部分。
これ屋根の荷重やバルコニーの荷重も掛かるのに直下に何もありません。
梁の大きさ検討してなかったとしたら 間違いなく梁はたわんで
バルコニーからの漏水原因になります。
わざわざお金使って危険な間取りを作っている良い例です。
そんな目で物件を見るのも面白いかもですよ^^
さて 本日の講義はここまで。
ここ試験出るから ちゃんと復習しとくよーにw
こちら「構造塾」啓蒙活動の1ページ(クリック可)
未だ木造には「構造計算要らない」って話がまかり通っていますが・・
最低でも 壁量計算・四分割法・N値計算・存在壁量・見付面積計算は行わないと「建築基準法違反」ですよ。
これ木造2階建て等は謎に 審査が免除されているだけで、構造の安定を確認しなくても良いと言う事ではありません。
未だ恐ろしい完成事例を目にしますが、それってきっと違法ですからね。
ちなみに上の画像 横に赤矢印付けているのが本当に聞いた話(汗
制震装置があるから強いんですって話聞いた時は 卒倒しそーになりましたがww
許容応力度計算や品確法計算以前に 基準法違反してたらお話にもなりません。
耐震や断熱はイメージでは無く担保できる数字と施工精度が必要ですよ。
耐震や断熱はイメージでは無く担保できる数字と施工精度が必要ですよ。
毎度ながら大切な事なので2回置いときます(笑
構造的にはデッキプレートにコンクリートを乗せてある様です。
下に山形になっているのが金属のデッキプレートです。
簡単な構造ですが これ理にかなってます。
「コンクリートは圧縮に強い」って聞いた事あるかと思います。
逆に「鉄は引っ張りに強い」ので双方の良いトコ取りをしたのが鉄筋コンクリートです。
上の画像で言うと 例えば金属のプレートだけだと・・
実験しなくても こんな感じで曲がる事は予想出来るかと。
上からの力に対して下に圧縮の力が掛かる訳です。
そこで上にコンクリートを乗せると・・
コンクリートの圧縮への抵抗力で曲がらなくなるわけです。
なのでこれが逆だと楽勝で橋は落ちます(笑
って訳で ここにも両極論はありません。
ベストミックスと言う考え方は構造にも当てはまりますね^^
昨日の現場第二弾^^
https://housingeyes.bijual.com/Date/20210629/
とりあえず断熱材入ってなかったの昨日の壁だけでした(謎
てか
入ってたと言ってもこんな感じ。残念ながら何も効きません。
あと 矢印入れていますが筋交い(斜めの耐震部材)周りの断熱施工が難しい事が判ると思います。
床下から入った外気は抵抗なく上階に流れていきます。
はい。これではいくら暖房しても部屋は暖まりません。
それよりも・・
筋交い切っちゃダメ!ゼッタイ!
しかも何か変な加工してあるし(汗
謎多き現場ですが・・筋交い補強しときます。
内部触るつもり無かったんだけどなぁ(涙
そもそもコレはベタ基礎とは言えませんが(汗
とある足場の上から・・気になったので^^
基礎の立ち上がり(布基礎)特に連続性も無く
弊社でよくやる地中梁的な考え方も無く独立しています
http://eyescode.bijual.com/Date/20160531/ 【アイズブログ】
となると耐圧盤(床水平面)の鉄筋量は大きくなるハズですが
鉄筋工事の時から見てて ベース鉄筋は300mmピッチ程度で画一的でした。
はぃ、基準法にすら合致していません。
こちらの基礎 いわゆる基準法のベース鉄筋量でいく場合
↓この位の区画割が必要です。
赤線くらいの連続した区画割(梁)が必要。
実際 黄色いラインも梁としての布基礎が必要かと。
うちの現場で良く見る地中梁的な区画があれば別ですが。
もっかい最初の画像見てみます?
人通口補強も考えて無さそうだし キツそうな事分かりますよね。
そんなこんなで
「ベタ基礎だから強いんです」
って根拠な無いセールストーク以前に、実は「ベタ基礎ですら無い」現場も多いと言う中々に残念な本当にある怖い話でした。
あ、これ今では無いですよ^^ 令和ですけど(汗
建築基準法が定める構造の安定は
何も壁量のみではありません。
最低でも「壁量」「N値」「四分割法によるバランス」の確認が義務付られています。
木造住宅にも義務付けられていますよ。その審査が免除されているだけです。
木造2階建ては構造チェック必要無いなんて聞いたら、それガセですよw
でも何か「構造計算=壁量」みたいな風潮があるので少しだけ補足として、今回は基準法における「四分割法によるバランス」について。
そんな事、家を作る側は皆やってるでしょ?
って思ったアナタ、私もそう思いたいです。
そんなこんなの木造建築。
こちら、本に載ってた横文字設計事務所のプラン図。
うーん、パッと見キツイなと。
たぶん壁量だけならギリギリ満たせそうな様な気がします。
ではバランスはどうか?
そこで出てくるのが四分割法。
まずは建物を、縦横で1/4に割る事から始めます。
この外壁側1/4部分に どれだけ有効な壁があるかのチェックです。
↓外側の黄色い部分。
このチェックをイメージすると、建物の両端にガッツリ耐力がある事で揺れに対抗すると言う事で
正しく気を付け!してるより、ガッツリ脚広げて踏ん張った方が、外力に強い事は経験則で分かりますよね。
数量通り強い壁があっても、バランスが悪ければ効きません。
そのバランスのチェックとなります。
で ↑4つに割った範囲にどれだけ耐力壁があるかと。
↓黄色が横方向、緑が縦方向として、面材を張った耐力壁を1枚(910mm)2.5倍壁として数字を入れたのが下図。
パット見、一番下の横方向に黄色い壁が2枚とバランス悪く感じます。
細かい数字や計算方法は今回ハショリますが、縦方向は短辺なので、壁量的には満たしています。
横方向も上部分(北側)は6枚あると仮定すると、そちらも満たしています。
ただ問題は下横部分(南面)の2枚。
2.5倍で計算すると充足率(壁量)アウトで壁率比もアウト。
ただこの計算の甘いのに、確認する項目が2つあったりして、充足率>1.0 または 壁比率≧0.5と言う記述があります。
そう または です。
なので、これ満足させようと思えば 足りてない左下の壁だけ倍の強さ(5倍強度)にしてあげると、壁比率のみギリギリOKとなります。少しだけ頭使うとクリア出来るんですねw
もちろん、ここから派生する「偏心率」はアウトになりますが(汗
こんな恐ろしい計算しか成り立たない図面、構造を無視した間取りだとしか言いようがありません。
その前にこんなバランスの悪いプラン、そもそも四分割法なんて頭の端っこにも無いでしょう。
一応こんな図面でも「四号特例」として構造審査も無く建築可能なのです。
ってか「使える間取り」として書籍になっている位ですので(汗
なんとなく壁の量的にバランス悪いなぁと思ったら、その対処法は確認すべきです。
ちなみに・・この図面、2階もありまして・・ここでも良く出る「直下率」なんて三度見するレベルだった事は内緒ですw
【ブログ:壁の直下率】
https://housingeyes.bijual.com/Date/20200915/
アディ押忍
画像〇印、これ水入ってます。
この上から塗装してもまた同じことに。
と、その前に
2階乗ってる部分の階下に壁がありません=横方向への耐力ゼロ。
※下図の様に上階の水平構面が無い所に壁があっても効きません。
なので外装治す前にそこに耐力壁作りましょうと。
と外壁めくってみたら・・あぁ・・柱の背割れ部分からシロアリが(涙
気付くのが早かったのでシロアリ防除だけで済みました(汗
で、基礎作って柱と筋交い設置(その後金物固定)
透湿防水シートを貼って
今回は板金で納めました。
もちろん全部やり直せば良いのでしょうけど、予算ってモノがありますしね。
必要最小限で安心をご提供と。
これで安心、いかたいかた^^
【 ハウジングアイズ 】では、飛騨高山にてパッシブな高断熱思想を用いて、恒久的な省エネ快適住宅を御提案しております。