美しいデザインや正しい省エネ技術は 恒久性能の一部です 【旧レディオクラブ】
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建築基準法が定める構造の安定は

何も壁量のみではありません。

 

最低でも「壁量」「N値」「四分割法によるバランス」の確認が義務付られています。


木造住宅にも義務付けられていますよ。その審査が免除されているだけです。
木造2階建ては構造チェック必要無いなんて聞いたら、それガセですよw

 

でも何か「構造計算=壁量」みたいな風潮があるので少しだけ補足として、今回は基準法における「四分割法によるバランス」について。

 

そんな事、家を作る側は皆やってるでしょ?

って思ったアナタ、私もそう思いたいです。

 

そんなこんなの木造建築。

 

こちら、本に載ってた横文字設計事務所のプラン図。

   

 

うーん、パッと見キツイなと。

たぶん壁量だけならギリギリ満たせそうな様な気がします。

 

ではバランスはどうか?

 

そこで出てくるのが四分割法。

まずは建物を、縦横で1/4に割る事から始めます。

   

 

この外壁側1/4部分に どれだけ有効な壁があるかのチェックです。

↓外側の黄色い部分。

   

 

このチェックをイメージすると、建物の両端にガッツリ耐力がある事で揺れに対抗すると言う事で

   

 

正しく気を付け!してるより、ガッツリ脚広げて踏ん張った方が、外力に強い事は経験則で分かりますよね。

 

数量通り強い壁があっても、バランスが悪ければ効きません。

そのバランスのチェックとなります。

   

 

で ↑4つに割った範囲にどれだけ耐力壁があるかと。

↓黄色が横方向、緑が縦方向として、面材を張った耐力壁を1(910mm)2.5倍壁として数字を入れたのが下図。

 

 

 

パット見、一番下の横方向に黄色い壁が2枚とバランス悪く感じます。

 

細かい数字や計算方法は今回ハショリますが、縦方向は短辺なので、壁量的には満たしています。

横方向も上部分(北側)は6枚あると仮定すると、そちらも満たしています。

 

ただ問題は下横部分(南面)の2枚。

 

2.5倍で計算すると充足率(壁量)アウトで壁率比もアウト。

 

ただこの計算の甘いのに、確認する項目が2つあったりして、充足率>1.0 または 壁比率≧0.5と言う記述があります。

そう または です。

 

なので、これ満足させようと思えば 足りてない左下の壁だけ倍の強さ(5倍強度)にしてあげると、壁比率のみギリギリOKとなります。少しだけ頭使うとクリア出来るんですねw

 

もちろん、ここから派生する「偏心率」はアウトになりますが(汗

 

こんな恐ろしい計算しか成り立たない図面、構造を無視した間取りだとしか言いようがありません。

 

その前にこんなバランスの悪いプラン、そもそも四分割法なんて頭の端っこにも無いでしょう。

一応こんな図面でも「四号特例」として構造審査も無く建築可能なのです。

 

ってか「使える間取り」として書籍になっている位ですので(汗

 

なんとなく壁の量的にバランス悪いなぁと思ったら、その対処法は確認すべきです。

 

ちなみに・・この図面、2階もありまして・・ここでも良く出る「直下率」なんて三度見するレベルだった事は内緒ですw

【ブログ:壁の直下率】

https://housingeyes.bijual.com/Date/20200915/

 ↑次の試験出るぞーー 復習しとけよーーー(笑



アディ押忍





画像〇印、これ水入ってます。

この上から塗装してもまた同じことに。

 

 

 

と、その前に

2階乗ってる部分の階下に壁がありません=横方向への耐力ゼロ。
※下図の様に上階の水平構面が無い所に壁があっても効きません。

 

 

 

なので外装治す前にそこに耐力壁作りましょうと。

 

と外壁めくってみたら・・あぁ・・柱の背割れ部分からシロアリが(涙

   

 

気付くのが早かったのでシロアリ防除だけで済みました(汗

 

で、基礎作って柱と筋交い設置(その後金物固定)

 

 

 

透湿防水シートを貼って

 

 

 

今回は板金で納めました。

 

 

 

もちろん全部やり直せば良いのでしょうけど、予算ってモノがありますしね。

必要最小限で安心をご提供と。

 

これで安心、いかたいかた^^






なんだかんだ今年は雪が少なくて助かりますが、まぁ2階と1階の屋根が繋がる位は普通にありまして・・更に1階の屋根と地面も繋がる位は(汗

 

 

 

ところで雪の重さって考えた事ありますか?

 

ちょっと驚く話でもしてみましょうか?

 

覚悟ありますか?

 

最近、家建てちゃった人は読まない方が良いですよ(謎

 

あのですね、木造軸組工法の建築基準法における「46条壁量計算」は積雪量を考慮してないんですよ。

ちなみに2×4(ツーバイフォー)には告示規定があり、積雪量によって必要壁量に乗ずる数値が異なります。

改めて言いますが、軸組造にはそんな規定ありませんw

壁量計算してるだけマシなレベルですが、品確法検討等々行わない場合は、それが現実です(困

 

ただ一応、自治体によっては努力義務があります(努力義務?)

 

例えば我が岐阜県~~~

 

◆建築基準法施行令第46条第4項における壁量の確認を行う場合

 許容応力度計算を行う場合は積雪荷重が適切に考慮されるが、建築基準法施行令第46条4項の壁量規定には積雪荷重が考慮されていないため、住宅用途の場合や平屋建ての場合において許容応力度計算を行わない4号建物においても、建築基準法施行令第46条第4項における壁量を確認する際に壁量に余裕を持たせるなど、積雪荷重を適切に考慮する。

 

~~~適切に考慮しましょう(ドヤ)なんですww

 

そんなこんなの雪の重さ

 

本来、飛騨の辺だと30 N/cm/㎡(積雪量1cm毎に1㎡辺り30N)の重さで計算します。

 

忘れた頃に最初の画像

 

 

 

 

垂直積雪量で言うと 一度1.5m位積もった屋根なのですが、1回雨降って晴天の日もありまして、押しつぶされた分だけ背は低くなっています。

ただ 半分氷みたいな層もあって、普通に40 N/cm/㎡(重くなっている)にはなっているかと

 

画像がざっくり1m高として 20坪の屋根だったら、雪の重さだけで26.4トン!

 

ちなみに30 N/cm/㎡でも、1.5m積雪な29.7トンなので、あながち無理な計算でも無く。

 

例えば、軽自動車のN-BOX(4WD)が、ざっくり1トンなので

 

 


N-BOX2629台屋根に乗ってる事になりますw

 

雪って結構重いでしょ(汗

 

参考までにハウジングアイズの本拠地である飛騨は、建築基準法施行令第86条だと積雪量1.22.6mの地域です。

 

どっかり雪が乗った状態で地震が来たら・・

 

 

多雪地域は特に、積雪荷重は考慮しないとヤバいですよね。

 

 

え?4号建物は壁量計算なんて要らない?

 

あ、そうですか(遠い目

 

 

アディ押忍。








今はもう完成してるけど、毎日のお散歩コース途中に建築されていたおうち。

妙なトリミングとベタは場所が分からない様に^^

 

 

 

とっても気になったのが筋交いで・・ちちんぷいぷいw

 

 

 

間柱や筋交いが透けてみますね。

断熱終わって外壁出来るまで変わらなかったので、今もこのままかと思いますが。

 

上図に線入れるとこんな感じ(黄色が柱と横架材・赤が筋交い)

 

 

 

はい。数が少ない以前に、全部同じ方向です。

この場合、赤方向からの力には強いですが、青方向からの外力には無力。

 

実は両タスキ(×型)に入っているのかと、近くで見たのですがやはり片筋交いでして・・

 

これ、本数以前に どー考えてもオカシイので推察すると・・

 

たぶん、図面は↓青方向の筋交いになっていたのではと。

 

 

 

大工が方向に気付かず、監督も気付かず、設計者は・・営業さん?(汗

 

実はコレ、ありがちなミスです(あってはイケないのですが)

 

↓こちら以前、建て替えさせて頂いたおうちの解体前

http://eyescode.bijual.com/Date/20170205/

 

 

「現場監理は大切」と言うお話でした。

 

 

てか、本当にあった怖い話やん






また「ベタ基礎だから安心です」ってセールスを聞いたので、定期的な苦言(笑

 

家を建てる時は基礎から上に向かって作り出しますが、構造を考える時は雪や風など、外部荷重を設定した後で、屋根から下に向かって計画していきます。

 

荷重は雪に始まり、自重も含めて上から下に下りていきますからね。

その重さも 最後は地面の反発力で停止する訳です。

 

なので地面が緩いと建物が傾いたりする訳ですが、地面に荷重を伝達する基礎が、どの建物も均一的な設計で良いのか?と言う話です。

 

例えば 同じサイズと仮定したこんな2棟を比べてみまして

   

 

A棟が「直下率」の良い建物ってのは分かりますね。

 


雪や屋根・梁・床の荷重が無理なく基礎に伝わっていきます。

普通はこんなに綺麗に荷重が落ちる事は無いですが(笑)均一に力が伝われば、基礎だけでなく地盤の負担も減る事に成ります。

 

そして見るからにバランス悪そうなB棟。

赤矢印が荷重の流れです。

   

 

①部分の基礎が、②部分の基礎より負担が大きい事がイメージできるかと思います。

 

もちろん木造部分にも余計な負担は掛かりますが、例えば基礎の水平部分の「ベタ基礎」 ①~②間の水平と②~③間(オレンジ丸部分)の負担が異なる事は、容易に想像できますよね。

 

例えば バランス関係無くとも②~③間の距離が4mを超える様な場合は特に、建築基準法上の鉄筋規定程度では「ほぼほぼアウト」になります。

アウトって事は基準法違反以前に、健全な建物では無いって事ですよ・・地盤への負担も怪しいモノですが、そんな場合は「ベタ基礎」では無く「フーチング基礎」の方が、安全側に傾く事も確かです。

 

そんなこんなの「ベタ基礎だから強いんです」

そのセールスに実は何の根拠も無いんですね。

 

もし そんなセールスを聞いたら「何故強いんですか?」って質問で、一気に形勢逆転出来るかと(笑

 

気を付けよう無知な画像のSNSアップ(謎笑

 

アディ押忍。

「直下率」忘れたころに何度でもポストしますね(笑

 

こちら自然素材を謳う「一級建築士事務所」さんが公式に公開されているプラン(利害関係はありませんが、もちろん画像検索しても出てきませんよ・笑)

   

 

訂正に訂正を重た完成間近の二世帯プランだそうです。

ここでは間取り云々には触りません。

 

こちらのプランに 二階の外壁線を赤で入れて見ました。

   

 

分かりますよね。

 

2階の壁ラインの下に あるだろう柱位置に印を入れてみましたよ。

   

 

ほほぅ 一階外壁部を除くと、たぶん5本のみ・・ごほん。


イメージして見てください。

ほとんどの上階荷重は鉛直の柱では無く 水平の横架材にかかる訳です。

 

ビニールのストローを縦に立てたら潰れにくいですが、横にしたら簡単に潰れる事は 容易に想像つきますよね。

 

 

 

もし仮に「耐震等級2」くらい取れる計算が成り立ったとしても

(壁量計算なら成り立たせる事は出来そうです)

これでは地震には全くの無力です。

 

実際 熊本地震でも同様の事故がありました。

 

柱以前に「壁の直下率」意識すべきだと考えます。

 

外から見る柱の直下率はこちら

http://eyescode.bijual.com/Date/20191030/ 【アイズブログ】

 

↑ 下の方に簡単な絵載せてますよ^^








極太ティンバーでタワー作成

 

 

 

ツーバイだと普通に組むのですが、軸組だと かなーり難しく(笑

 

でも仕上がると頑張った甲斐があると言うモノ^^

 

 

 

東側が開けた丘の上のおうち

   

 

爽やかMAXなダイニングでしょ^^

 

あ、窓は米国の樹脂製トリプルガラスざます。



台風対策のひとつに屋根の緊結があります。

 ↓ ハリケーンタイと言いますが、屋根垂木を固定する金物です。

 

  

 

↓ こちら 2010年の一言ですが ここに転載しますね


 
こちらハリケーンタイ(あおり止め金具)

 

  

ツーバイフォー工法で使われる屋根垂木やトラスと上枠・頭つなぎの緊結金物で、弊社では軸組工法にも全棟採用しているので目にしてる方も多いでしょう。

 

目的は名前の通り 強い風(ハリケーン)から屋根の浮き上げを守る為で 設置箇所はこんなトコロ。画像は「カバードポーチ」部分ね。

 

 

ちなみに 矢印①はジョイスト受け金物「JH206」で 矢印は床組隅部に使う帯金物「S-90」。

 

そこで問題です。

 

これら金物には最初から釘穴が開いていますが 釘は何本打てば良いでしょう?

 

1.垂木と横架材部 1箇所づつ。

2.偶数開いている場合は 一個飛ばしで奇数本

3.とりあえず全部 

 

さぁ アタックチャーンス。

 

 

 

 

 

 

 

 

答えは「3」の全部打つです。

金物の保有耐力は 金物の「引っ張り強度」と「釘打ち本数」そして取り付ける「木材の樹種」によって決まります。

 

これら金物は元々 北米ツーバイの考え方からの相互認証ですが 使う金物はJIS認定の溶融亜鉛メッキ鋼板で  もちろん使用する釘も溶融メッキの金物用釘となります。

 

前出の「ハリケーンタイ」に ZN釘を4本打つ事によって 躯体がS.P.Fの場合 1個辺り 2.71kNの力を保有します。

 

ちなみに人家に被害が出るとされる 風速70mの時に金物1個辺りに掛かる力は 1.67kNとされていますので 相当に余裕があると言えますね。

 

この他ハリケーンタイには 4.31kN / 個の強度(短期許容応力度)耐力のモノもありますが その辺りは地域性やプラン また仕様規定や構造計算によっても異なります。

 

平金物にも色々種類があって 仕様箇所や設置方法が定められている訳です。

 

ついでなので こちらは出隅部の結合(S90)と 上下階の結合SW-678.12kN×2枚の図。

 縦に設置してある帯金物(SW-67)は ZN65の釘26本で緊結して初めて保有耐力を有します。

 

 

 

あと ↓ こちらは横架材に支持点が無い場合の補強金物。

 

画像はベイマツとの緊結なので 3.5kN / 枚の短期許容応力となりますが上記の耐力は2枚で一組として想定するので 1枚だけでって言う使用はしません。

 


 

もちろん 掛かる応力や荷重により金物の種類は幾多に渡りますが 一番大切なのは しっかりとした釘種類と正しいプレートを使うと言う 基本中の基本なのかも知れませんね。

 

意外と知られていない部分なので サラッとですがご紹介^^





4号建築物(4号建物)とは建築基準法第6条による分類。例えば、木造2階建てで延べ面積が500m²以下のものは4号建築物と呼ばれる。

 4号建築物については、建築確認申請の審査を簡略化して構わないと言う特例があり、これにより必要な申請書類は少なくなり、また審査期間は短くなる ※Wikipediaより

 

その「建築確認申請審査の簡略化」とは構造の安定。

審査が簡略化されるだけで「構造の安全性をチェックしなくても良い」ということではありません。

 

以上を大前提としてTwitterで見つけたコチラ
(画像検索出来ない様、不自然にトリミングしていますw)

 

 

 

結構なパワービルダーさんみたいですが「4号建物は構造計算が必要無く、その費用や構造補強にお金掛かります」との事。

 

まず

 

特例と言えども審査の簡略のみで、最低でも建築基準法施行令4049条による仕様規定クリアは義務です。

◆壁量の確保(壁量計算)

◆壁量バランス(4分割法)

◆柱頭柱脚金物のチェック等(N値計算法)

 

その上での構造補強は無駄な費用では無く、最低限必要なコスト・・と言いますか、建築基準法そのモノをクリアできない危険性すらありまして(汗

 

悪意があるとは思いませんが、ちょっとね・・と^^ 

町で見かける「ベタ基礎」で、ちょいちょい頭抱える配筋を目にしますが、まあ、ね。


お後が Here we go



建て方の途中 2階床合板の施工

 

 

 

その後 2階の柱建て作業の前に・・

 

 

 

半透明の粘着シートを貼ります。

天候睨みつつ殆どが1日棟上げの弊社でも 屋根を仕舞うまでに降雨の心配は尽きません。

 

 

 
まぁ 特に雨に打たれても問題ない合板(特類)を採用していますが、それでも梁材なんかに雨垂れの跡等付くのは面白くないので、屋根を仕舞うまでの簡易防水です。
※屋根および窓施工が済んだら剥がします。


ツーバイフォー建築なんかでは結構ポピュラーですが、在来工法の現場では目にすることはありませんね。

 

「手間を掛ければ良い」なんて事はありませんが、「大切な手間」と言う事柄も確実に存在します。省コストの陰に見失ってはイケないでしょう。

 

 

 そうそう、手間と言えば・・在来工法のくせに、吹き抜けにRの床作らない様に(爆

 どーやってるかって?現場見学お受けしますよ(笑

 

 

吹き抜けと言えば このマーク部分は床になります。

 

 

 

 構造用合板で水平構面を作る訳です。

http://eyescode.bijual.com/Date/20190718/ 【アイズブログ】

 

デザインと性能、そして施工精度。

 

お値段以上アイズ^^




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