美しいデザインや正しい省エネ技術は 恒久性能の一部です 【旧レディオクラブ】
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築年数(耐震基準の差)でも家の崩れ方に違いが出ます。

 

痛ましいですが こちら。

 

 

 

画像は「2024113日 朝日デジタルより」

 

向かって左は2階が真っ直ぐ下に落ち

右の家は2階がそのままの形で1階が折れています。

 

これで分かるのが当時の基準法の違い。

 

右の家の丸部分が新しい柱なので、もしかしたら車庫か何かにする為に柱を追加したのかも知れませんが。

 

 

 

~にしても、傾いた方向に対して壁が無さ過ぎます。

どんなに強い柱でも耐力壁が無ければ倒れます。

 

ただ、柱脚(柱の足元)が残ってますね。

何かしら基礎との緊結があった事を示しています。

 

なので築年数的にはこんな感じかと(クリック可)

 

 

 

柱脚柱頭の金物が義務つけられたのが、同じ新耐震基準でも「阪神淡路大震災」以降。もしかしたらそれ以降にリモデルしたかもしれませんが、柱脚が残っている所を見ると1995年以降の建物かと思われます。

 

そして壁量のバランスが求められる現行の耐震基準だと、この前面の開口は有り得ませんので、2000年よりは前の建物とも言えます。

 

ただ・・これが4号建物の闇として、本来計算されているハズの壁量が「実は検討すらされていなかった」と言う恐ろしい事も有り得ますので一概には言えませんが(汗

 

そして左の家、2階が真下に落ちたと言う事は地震時、一階の柱が抜けまくった結果で自重に耐えられず2階が落ちたと言う現象なので「旧耐震基準」に間違いないかと思います。

 

ただ、新耐震と言いつつ43年も前の基準ですが・・同じ新耐震の中でも「引き抜き」の考え方が違うと言うお話でした。

 

その上で耐力壁はバランスよく設置する事が必要です。

 

これは現行耐震基準でも同じ事ですよ。

 

良く言う事ですが「古民家」なんて素敵なイメージですが、耐震まで古民家だと笑うに笑えません。

古民家の改修は引き抜き(N値計算)までセットで考えましょう。

 

もちろん断熱も古民家性能だと、住むに堪えませんよ。

 

耐震や断熱はイメージでは無く、根拠ある数字と施工精度が重要です。

 

アディ押忍。



地震力って建物のカタチによっても異なると言うお話。

 

私が住んでいる建物は ↓ こんな感じで構造躯体の区画としてサックリX方向が2に対してY方向が4と言う長方形。

イメージし易い様3階建てとして書いています。

 

 

これまでも小さな地震あって、なんとなく気にしていたんだけど、元旦の震度4で確信。

↑上みたいな形状だと、Y方向の方が確実に横架材が長いので、回る様な揺れが来たとしても、建物はX方向に揺れます。

 

 

 これは何度かの余震でも感じましたが、Y方向には殆ど揺れないと言う事。

 

輪島で7階建てのビルが横倒しになっていましたが、あれは旧耐震とピロティ構造が合わさり、更に地盤の液状化と杭が抜けた事によって倒れたとされますが、そもそも倒れた方向にしか揺れなかったと言う事も大きいかと思います。

 

 

 

では、仮にですが私住んでる建物がこんな形の鍵型だったらどうでしょう。

 

 

ありがちですよね。

 

ただ、これ建築基準法相当(仕様規定)だと実態に則さない事になるかと。

 

地震力はこんな感じで作用するハズなので 

 

Y1とY2部分を繋ぐ部分(緑の区画)に、相当な力が掛かる事は容易に想像できます。

 

最後に地盤に力を落とす基礎だって、画一的に「ベタ基礎だから大丈夫」なんて事は有り得ないでしょう。

 

辺にゴチャゴチャした平面は、コスト掛かるだけでなく耐震性能にも難癖付けてきます。

その辺まで俯瞰して考えたいモノです。

 

なにも真四角のズルムケハウスを作ろうって話では無いですよ(笑

 

デザインには構造的根拠も必要だと言う事です。

 

その凸凹何の為に?構造的根拠ある?断熱性能は?劣化対策は?押さえるべき根拠は貴方のお財布に直結します^^

 

なんか話は逸れましたがw建物のカタチ(構造区画のカタチ)で地震や風に対する揺れは違ってきますよってお話でした。

 

一番上の建物の場合Y方向が強い分、X方向に耐力を持たせないとバランス悪いですよね。

 

耐力のバランス、とっても大切です。

 

アディ押忍。



輪島市内での倒壊画像。心痛みます。

 

 

 

少し驚いたのが、こちらアパートだって事。

たぶん ↓ こんな感じの木造賃貸で、一階と二階が同じ間取りのタイプだと思われ、そうなると必然的に柱の直下率はほぼ100%のハズ。

 

 

 

想像するに、いわゆる1981年の新耐震基準は満たしていると思いますが、こちら特殊建築物とは言え200㎡以下にて無理矢理4号建築物扱いだったのでは無いかと。

 

まさかですが、4号特例により最低基準すら満たしていないという事も考えられます。

 

最初の画像みると、建物は後ろに倒れています。

表が玄関側とすると、反対側はバルコニー(南側)があって大き目の開口が並んでいたと思われます。

 

壁量が足りていなかった・・。

そもそも検討していなかった・・。

まさかの手抜き工事・・。

 

そこに力が加わって家が折れたのだと容易に想像できます。

 

ちなみにこの43年前の新耐震基準である46条壁量計算は、壁の配置バランスと柱頭柱脚の接合は定められていません。

引き抜き力の検討が生れたのは2000年となります。

 

こちら見ると、開口部横の柱が簡単に外れていますね。

 

 

 

引き抜き抵抗が無かった事が見えます。

 

良く聞く「耐震等級1」とは、この2000年基準を満たして初めて「等級1」となるわけで、この建物は等級1ですら無かったと言えます。

 

ちなみに「等級1」に求められる耐震性能とは

 

◆構造躯体の「損傷防止」

※震度5強程度の地震で損傷を生じない

 

◆構造躯体の「倒壊防止」

※震度6強から7程度の地震で(1回だけ)倒壊、崩壊しない

 

~となり、命を守れるかどうかが線引きであり、その後住み続ける事が出来るかどうかは別問題です。

 

ですが上のアパートは、そこまでの耐力すら無かったと言う事に。

 

これ対岸の火事でも無く、最近だと太陽光パネル載せる家が増えてきてるけど、パネルって大体南向きの屋根に付けますよね。そして南側は大体大きな開口作りますよね。

 

パネルの重さ検討していますか?

 

1m越えの積雪検討していればパネルの重さなんて、どうと言う事はありませんが、そもそも「仕様規定」である建築基準法は、積雪の重さは検討していません。

 

それでも基準法を満たしていれば不適格では無いのです。

 

耐震基準にはレベルがあるってお話でした。

 

もっと言うと、無理矢理な架構でチカラワザ使って構造組むより、プラン時から丁寧に構造検討して無理の無い架構を組んだ方が、耐震的にもコスト的にもメリットがあるという事です。

 

柱の直下率とかバランス、地味だけど大切ですよ。

 今回の事例は、直下率は良いけど、引き抜き検討とバランスが無かったと言う感じかと。


こちらのアパートでは死者が出なかったとの事で、画像使わせて頂きました,,orz

 

 

 

未だ全容が見えないですが、一日でも早い復興を祈っております。

 

明日は我が身、気を引き締めていきましょう。




改めまして謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

先ずは2024年1月1日に発生しました令和6年能登半島地震により被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一刻も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

 

今回の地震はこちらでも結構な揺れを感じましたので、自分事に捉えてみえる方も多い事でしょう。

 

明日からは何度かに渡って地震について書いてみたいと思います。

 

そこで今回は体感震度と積雪について。

 

まず飛騨地方には「震度5弱」との報道が多数でしたので、皆様も「あれが震度5弱かぁ」と恐怖を刻まれたと感じます。

 

ただ、あの時「震度5弱」だったのは高山市内だと「上宝町本郷」の辺りで、旧市街地は「震度4」だったのです。

 

 

 

ちなみに私は国府町に居たので、やはり「震度4」でした。

あの揺れで震度4だったのか・・(汗

 

実は飛騨市でも「震度5弱」は「河合町元田」だけで、古川や神岡なんかも「震度4」だった様です。

 

 

 

地震の大きさとしては、マグニチュードにもよりますが震度4と5弱の差

「32倍~1000倍」の違いがあります・・。

 

最大1000倍ですよ・・震度4を体感した方、あれの1000倍だと想像してみて下さい。

 

さて、勘の良い方はもうお気づきでしょう。

 

今回のお正月は雪積もって無かったですよね。

 

こちら数年前の正月に撮ったうちの庭。

 

 

 

こんな風景って普通ですよね。

 

これ位積もっている所に5弱が襲ったら、間違いなく奥の板倉(力貫の伝統在来)は一階部分が崩れる事でしょう。


私が居た母屋だって他人事ではありません。

 

今回「震度5弱」だった河合町は上宝町は、本土でも有数の豪雪地帯。

そんな場所でも今年は積雪が無かった事が、家屋被害が少なかった要因だと考えます。

 

もちろん、ひとつの判断材料でもある1981年基準の「新耐震基準」をクリアしていれば・・と言う甘い見方も出来ますが・・

 

そもそも新耐震と言いつつ42年前の基準で、基準的には壁の配置バランス・柱頭柱脚の検討無し、土壁の重量どころか積雪の重量考慮もありません。

 

もっと言うと4号建物で壁量計算すらしていないと言う現実も鑑み、今回飛騨地域を襲った地震は「不幸中の幸い」としか言えない様な状況です。

 

そんな博打みたいな生活に掛けるより、出来れば少しでも安心材料は増やしておく事に異論は無いと思います。

 

もちろんすぐに耐震補強なんて難しい事は当たり前です。

 

余震もかなり減ってきて少しだけ安心枠が増えてきた感がありますが、今後また大きな余震が来るようでしたら

 

まず1階より2階で就寝する(耐震が低い家は一階から崩れます)

下屋があるなら1階は下屋の下で就寝する(2階分の重さが無い)

 

上記2点を実行するだけで、命の危険は劇的に減ります。

 

少し重い話になりましたが「減らせるリスクは減らしましょう」と言うお話でした。

 

しかし・・あれで震度4ですよ(涙

 

そそ

 

これから家を建てる方は、まず「柱の直化率・壁量のバランス・軽く造る」の辺りは確実に頭に置いた方が良いですね。それはコストパフォーマンスにも繋がりますよ。

 

無理な架構は、無駄な予算と不利な耐震に繋がります。

 

しかし・・あれで震度4(まだ言ってるw)




地震列島なんて言葉がありますが

日本には約2000の活断層が存在し

岐阜県は約100の活断層が所在しています。

 

こちら岐阜県の資料より(クリック可)


   

 

断層だらけね・・つか飛騨こまかいのも多すぎでしょ(汗

って訳で 岐阜県地震危険度マップってご存知?

https://gis-gifu.jp/gifu-jishin/e_portal.html

 

各地震による地面の揺れやすさが想定されています。

 

上のURL内 この検索バーに

 

 

 

御自宅や会社など郵便番号(住所)を入れてみて下さい。

 

その付近の揺れやすさが分かりますよ。

 

参考までに うちの会社でやってみました。

 

高山大原断層帯が動くと・・震度6弱想定(怖

 

 

 

かなりデカいですね。

 

それをそのまま「高山駅」近辺を中心にすると

市内の平地はほぼ震度7域になります(汗

 

 

 

いつ起きても可笑しくないと言われる南海トラフだと

会社周りで震度6弱・・揺れパターンで簡単に家が倒壊するレベル。

 

 

 

こちら高山駅周辺だと少し小さくなるけど それでも5弱。

 

 

 

断層によって揺れやすさが変わる事が分かりますね。

 

転ばぬ先の杖~避難先とか家族の連絡方法 あらためて確認しておきましょう。





階段は吹き抜けだよ。

三面開口とかインスタ映えだけど、そこ水平構面無いの。

 

なんてポストしたら

「階段と吹き抜けヤバい」みたいな

実例載ってるブログありませんでしたか?

 

と言うご質問頂きました。あざす,,orz

 

たぶん6年前のこれでは ↓ 重ねてあざす(号泣

 

アイズブログ:水平構面(床)は意匠設計から

http://eyescode.bijual.com/Date/20170705/

 

このブログは プラットフォームが以前ので

スマホだと広告うざいなーって事で こちらに転載しておきます。

 

宜しければ ご一読を,,orz

 ~~~~~~~~~

【水平構面(床)は意匠設計から】 2017年7月5日

 

床構面は大切と言うお話。

 

「耐震=壁強度」と言うイメージがあると思います。

 

ハウスメーカーのセールスでも殆どが

「強い壁」を謳いますので それも致し方ないですが^^

 

でも 本当は水平構面(床)と鉛直構面のバランスが大切。

 

壁だけ強くても 床が受けた水平力を的確に壁に伝えるだけの

「強い床」が無ければ構造は成り立ちません。

 

 

コレ実は 意匠設計の段階で、構造計画を意識しないと

経済的に強い構造は成立しないと言う事にも繋がります。

 

 

営業マンがお客様に聞いた希望だけで チャカチャカっと

書いた様な平面では 構造そのモノがアウト!と言う事も多く(汗

 

 

でもそんな危険な建物でも・・

 

4号特例(木造2階建て)の構造計画検討の提出義務が無い事を

構造検討不要と勘違いして そのまま建ってしまう訳です。

 

 

とりあえず ケーススタディといたしましょう。

 

例えばこんな図面集より

 

 

 

 

実際に建築家さんが書いた図面が載ってます。

 

そこで エイ!っと開いた図面がこちら。

 

 

 

ほほぅ・・イキナリ床が無いですな(爆

 

これを開放的!とか 明るくて素敵!と感じる事も良いですが^^

 

早速 床についてツッコんでみましょう。

 

 

と 思ったら・・・(-_-;)

 

 

壁直下率無さすぎ(-_-;) (-_-;) (-_-;)

http://eyescode.bijual.com/Date/20161103/

 

 

↓ とりあえず一階図面に2階壁を乗せてみました。

 

 

 

全く壁が足りません・・ってか建築基準法すら満たせません(滝汗

 

書いたのは御高名な建築家さんらしく お名前まで載ってましたが(涙

 

実はこんなんでも建築確認は通るんです・・・。

 

 

構造検討の提出義務が無いだけで 構造検討は必要なのですが(号泣

 

 

ま まぁ それは差し置いて(差し置けないですが)水平構面の検討

 

↓斜線入った部分が水平構面(床)です。

 

 

 

吹き抜けだけで無く 階段部分にも床は無いですよね。

 

これだけの床構面で 横からの力を的確に階下に伝えられれば良い訳です。

 

 

まずは X方向。一階は無視しても(涙)この程度の吹き抜け割合なら

水平検討した場合クリアできると思います。

 

 

 

問題は Y方向・・。

 

 

 

まず Y3通り・・100%計算に乗りません。

 

Y2通りも 一階に壁があったとしても(無いですが)まず無理でしょう。

 

Y1通り位なら問題ないですが この図面の場合

地震が来たら 斜線の部分・・納戸と階段の辺から崩れ落ちます(キッパリ)

 

その前に 壁直下率が悪すぎて一階部分が折れますが(汗

 

 

こちら 本にまで載ってる「使える間取り」ですからね・・

 

 

でも

 

 

使えません(涙

 

 

ケーススタディが悪すぎて 床の話が薄まりましたがw

 

 

構造は床が大切~6面体のバランスが大切と言う話でした。

 

 

4号建物(木造2階建て以下)は構造検討しなくても良いのでは無く

 

構造検討は必須で その検討事項の提出義務が無いだけですからね。

 

 

大切なボヤキでした。


先日の構造区画(水平構面)話の続き。

https://housingeyes.bijual.com/Date/20231019/

 

この四角い箱がひとつの構造区画として

 

 

 

この区画が大きくなればなるほど 蓋(梁)や
底辺(基礎)の負担が大きくなる事は容易に想像できますね。

 

なので単純に 無理の無い大きさの箱を丁寧に並べてあげるだけで

無駄に大きい構造材を使わず 建物を強く出来ると言えます。

 

 

 

これが基本的なコスパ良い構造の考え方。

 

こーゆー事言うと「構造考えると間取りが不自由になる」とか

「狭い空間になる」とかネガティブな事言う人が居ますが(笑

 

そんな事はありません。

 

むしろ同じ空間なら無駄を省く事で安価に建てられるとも言えます。

 

その辺のお話を分かりやすくイメージすると

「セットバック」とか「オーバーハング」が上げられます。

 

まずオーバーハングとは 

こんな感じで 上階が持ち出している構造体の事。



箱の上に箱をオーバーハングして置くと

 

 

 

小さな力で傾きます。

 

 

 

それを防ぐ為に 上階の床だけで無く

基礎も大きくしないと存在出来ない事は 簡単にイメージできるかと^^

 



まぁ 木造の場合は そんな極端な事例は

見ないので良しとしますが(良いのかw)

 

ありがちなのが「セットバック」 

 

セットバックした角部に柱があれば

まだ良いのですが(はい!良く出てくる直下率の話です)

 

 

 

鉛直荷重を床が支えたり 

 

柱があってもズレてたりすると

 

 

 

やっぱり大きな横架材が必要になる訳で。うんうん。

 

極端に表現すると 

これが

 

 

小さな力で こーなります。

 


四隅の直下に柱があれば安定しますよね。

更に壁が強ければ 地面が揺れても倒れません。

 


こ―考えると 床や柱・壁・屋根の緊結って大切でしょ。

それ以前に丁寧で無理の無い構造区画が必須な訳で。

 

そんな無茶な新築無いでしょww ってアナタ・・

 

こちら小さく 建築途中の家

 

 

 

赤い線が2階の角部。

 

もちろん構造の安定は確認しているでしょうけど

今回はコストの話なので^^

 

あと 築数年の家。

 

 

 

って これ書くために ちらっと見渡しただけで

簡単に写真2枚撮れましたぞ(笑

 

ディスってる訳で無く あくまでコスト対比の話です(笑

 

目に見えないコストを抑える。

 

忘れがちだけど これだけ建築価格が上がっている今

すっごい大切な自己防衛とも言えるかと。うんうん。

 

本日は構造区画の並べ方とコストのお話でした。

 

ここも今度のテスト範囲だからなー

ちゃんと復習しとけよー(誰なんだお前は)

 

アディ押忍。





ここでも良く出るワード、お馴染み「水平構面」

 

「水平構面」とは、床や屋根など横方向の構造面の事。

 

対して縦方向の構造面は「壁構面」「垂直構面」となります。

良く目にする「耐力壁」と言うのが垂直構面なのですが

本日は どれだけ壁強くしても意味が無いと言うお話ざんす。

 

へ?耐力壁があっても意味が無い?

 

正しくは 耐力壁だけでは存在が生かされないのです。

 

例えば こんな箱

 

 

 

この縦方向4面が耐力壁だとイメージして下さい。

 

その角に力を加えると

 

 

 

たかが「紙」なのに 変形しない事イメージ出来ますよね。

押した力と同じ力で押し返してくるからです。

 

これが「6面体」の力。

 

では 蓋を開けてみましょう。

 

 

 

さっきと同じ力で押してあげると 簡単に変形します。

 

 

 

でも内蓋を内側に曲げるだけで さっきより多少変形が小さくなります。

 

 

 

ただ内蓋は固定されていないので あくまで多少です。

 

お分かりですね。

 

この蓋の役目が水平構面なんです(ドヤ

 

 

 

壁量を生かすには 正しく緊結された蓋(水平構面)が必要。

 

ただ

 

建築基準法相当の「壁量計算」には この水平構面の検討が無いのですよ。

 

・・おかしな話でしょ。

 

どれだけ強い壁が一杯あっても蓋が無ければ効きません。

 

でも その検討方法が無いのが基準法相当なんです。

 

その辺はまたの機会にでも(笑

 

なので 

構造や断熱は「正しい数字」と「根拠」

そして「施工精度」が大切だと言えます。

 

「正しい知識」と読み替えても良いかもです。

 

なので

「この建物は基準法の1.5倍の壁量があるので耐震等級3です」なんて

おつむ大丈夫?的な与太話は存在しない訳ですww

 

そんなこんなで 水平構面のお話でした。

 

空箱見つけたら コレ思い出して検証してみてくださいませ^^

 

アディ押忍。




昨日XTwitter)に「ピクチャーウィンドウ」ってポストしましたら

   

 

角に窓を設置するのは耐震的に大丈夫なんですか?

 

 

 

なんてコメント頂きました。あざす^^

 

ですよね。イメージ的には確かにそうなります。

 

しかし 端的に言っちゃいますと

「強い壁には 強い引き抜き力が掛かります」

 

例えば分かりやすく「筋交い」入れた耐力壁。

 

 

 

これで壁倍率1.5倍ですが

この絵で言う左方向からの力には殆ど効きません。

 

耐力的に効かせるためには ↓この向きに入れますが

 

 

 

当然ながら 柱には丸印部分に引き抜き力が掛かります。

 

この壁は1.5倍壁ですが これが3倍壁とか5倍壁になると

掛け算で引き抜き力が大きくなる訳です。

 

こちらは勉強させて頂いてる「構造塾」より説明テキストですが

 

 

 

こんな感じで力が作用するんですね。

 

なので この引き抜き力に対抗するために

基礎からホーダウン金物で柱を固定するのですが

 

 

 

もちろん基礎にも耐力が求められます。

 

話は「角」に戻って

 

建物の角にはキホン大きな力が掛かります。

 

積雪量やプランによっては市販認定されている

ホールダウン以上の力を求められる事も(汗

 





まぁ計算してればの話ですけどね(笑

 

とりあえず

 

なのであえて角に「耐力壁」を設置しないで

引き抜き力が大きくならない様にバランス取る事も重要。

 

角に開口つくるのは「あえて」の事も多いのです。

※窓で無くとも面材耐力なら釘打ち本数等でも調整可能

 

ですので 最初のご質問への回答としましては

 

「ちゃんと根拠ある計算していれば全く問題無い」

 

と言う事になります。

 

とかなんとか

 
切り取りたい景色があったりしての

あ・え・て

 

 

 

って事もありますよ^^






関東大震災が起こった1923年(大正12年)から今年で100年。

 

マグニチュード7.9との事で、都市直下型としては最大級と言えます。

 

都市直下型で記憶に新しいのが2016(平成28年)の熊本地震や

1995年(平成7年)の阪神淡路大震災ですが

どちらもマグニチュード7.3との事。

 

双方記憶に新しく 建築人として心を締め付けられる思いですが 

マグニチュードは1違うとエネルギーは32倍になります。

 

つまり マグニチュード7.9の関東大震災は

マグニチュード7.3の阪神大震災や熊本地震(2回目)に比べ

約8.4倍のエネルギーとなります。

 

想像してください。

 

熊本地震が続けて8回襲って来る訳です。

 

いくら昼食時の人口密集地を襲った関東大震災とは言え

想像を絶するエネルギーだと容易に想像できます。

 

私達が出来る事は地震に強い家を造る事ですが

やはり日頃の防災意識や避難対策は丁寧にトレースしておきたいモノです。

 

あと物理的に言えば「家具の固定」

 

地震時 家具類の転倒・落下・移動による被害は

怪我原因の6割を占めるとの調査もあります。

 

非難時や就寝時 家具や調度品が自分に襲い掛かって来ない様

今一度固定方法を確認しましょう。

 

金具等での固定が難しい場合は お気軽にお声がけ下さい。

 

東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブックより

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/

 

家庭用家具の転倒・落下・移動防止対策 

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/06.pdf

 



今一度 お部屋周り見回してみましょう。




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