輪島市内での倒壊画像。心痛みます。
少し驚いたのが、こちらアパートだって事。
たぶん ↓ こんな感じの木造賃貸で、一階と二階が同じ間取りのタイプだと思われ、そうなると必然的に柱の直下率はほぼ100%のハズ。
想像するに、いわゆる1981年の新耐震基準は満たしていると思いますが、こちら特殊建築物とは言え200㎡以下にて無理矢理4号建築物扱いだったのでは無いかと。
まさかですが、4号特例により最低基準すら満たしていないという事も考えられます。
最初の画像みると、建物は後ろに倒れています。
表が玄関側とすると、反対側はバルコニー(南側)があって大き目の開口が並んでいたと思われます。
壁量が足りていなかった・・。
そもそも検討していなかった・・。
まさかの手抜き工事・・。
そこに力が加わって家が折れたのだと容易に想像できます。
ちなみにこの43年前の新耐震基準である46条壁量計算は、壁の配置バランスと柱頭柱脚の接合は定められていません。
引き抜き力の検討が生れたのは2000年となります。
こちら見ると、開口部横の柱が簡単に外れていますね。
引き抜き抵抗が無かった事が見えます。
良く聞く「耐震等級1」とは、この2000年基準を満たして初めて「等級1」となるわけで、この建物は等級1ですら無かったと言えます。
ちなみに「等級1」に求められる耐震性能とは
◆構造躯体の「損傷防止」
※震度5強程度の地震で損傷を生じない
◆構造躯体の「倒壊防止」
※震度6強から7程度の地震で(1回だけ)倒壊、崩壊しない
~となり、命を守れるかどうかが線引きであり、その後住み続ける事が出来るかどうかは別問題です。
ですが上のアパートは、そこまでの耐力すら無かったと言う事に。
これ対岸の火事でも無く、最近だと太陽光パネル載せる家が増えてきてるけど、パネルって大体南向きの屋根に付けますよね。そして南側は大体大きな開口作りますよね。
パネルの重さ検討していますか?
1m越えの積雪検討していればパネルの重さなんて、どうと言う事はありませんが、そもそも「仕様規定」である建築基準法は、積雪の重さは検討していません。
それでも基準法を満たしていれば不適格では無いのです。
耐震基準にはレベルがあるってお話でした。
もっと言うと、無理矢理な架構でチカラワザ使って構造組むより、プラン時から丁寧に構造検討して無理の無い架構を組んだ方が、耐震的にもコスト的にもメリットがあるという事です。
柱の直下率とかバランス、地味だけど大切ですよ。
こちらのアパートでは死者が出なかったとの事で、画像使わせて頂きました,,orz
未だ全容が見えないですが、一日でも早い復興を祈っております。
明日は我が身、気を引き締めていきましょう。
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