美しいデザインや正しい省エネ技術は 恒久性能の一部です 【旧レディオクラブ】
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中古住宅購入の目安に建築年度があります。

 大きくは1981年(昭和56年)の

「新耐震」基準がひとつのハードル。

 

まぁ 新耐震なんて言いながら昭和56年基準ですが(汗

とりあえず耐力壁(筋交い)を入れましょうと言う法律です。

 

柱だけだった建物に筋交いを入れる様にした法律が新耐震。

 

昭和56年と言うと ここお読みの方の中には

生まれてねーしw なんて方も多いかもしれませんが(涙

 

「五六豪雪」なんて聞いた事あるでしょう。

 

旧高山市内でも128 cm1899年~2023年の歴代1位)なんて

積雪が記録されていますが 高山市の現行積雪基準が1.2mなのは

この数字を根拠なのでは?なんて思います。

 

 

 

画像はWikipediaより

実際2階が玄関になった家も多かったとか。

 

そんな時代の基準が「新耐震」なのです。

何をもって「新」なのかって話でしょw

 

その基準は 1995年の阪神淡路大震災を受けて

2000年に耐力壁のバランスの計算と

柱と土台・柱と梁の緊結計算が追加されました。

 

そうです。19812000年に建てられた住宅は

バランスの計算や引き抜き力が無視されているとも言える訳で。

 

柱だけの南面とか 無理やり乗っかった二階とか

やはり怖い建物が多かったりすることも事実。

 

「新耐震」の家リモデルには その辺見る事も重要。

(もちろん2000年以降の建物も・・)

 

新耐震基準 じつは「新」では無いのです(笑

 

関係ないですが五六豪雪を知らない世代の方

ご両親や祖父母さんに当時の話聞いてみると

ちょっと驚くと思いますよ ^^

 

アディ押忍。


屋根を構成するには大きく

「母屋式」と「登り梁式」の二種類があります。

 

「母屋式」が一般的で 横架材の上に垂木を乗せて屋根を構成します。

 

 

 

ちなみに ↑ 画像は桁上部に合板を張って水平構面として

その上に断熱層を作る手法「桁上断熱」の図。

 

それに対して「登り梁式」とは こんな感じで

 

 

 

通常水平に配する梁を屋根なりに上げていきます。

 

その上に厚物合板を張り 屋根構面とする事で

上画像のような大きな空間が可能になる訳です。

 

ちなみに床部分に梁がありますが これ必要無いす。

(別目的があるので また今度w)

 

そしてその上に垂木を並べて「二重屋根」にするのですが

 

 

 

↑この丸印が垂木の一部

上から見ると こんな感じのゲーブル垂木になります。

 

 

 

これ先に作っておいて棟上げ時に釣り上げて設置すると。



 

更に屋根構面上には透湿防水シートを張る事で

この並べた垂木の高さが そのまま通気層になり

 

 

 

排湿や万が一の排水(レインスクリーン)になると言う^^

 

理にかなった工法とも言えます。

 

仕上げると全く見えなくなる屋根の構成。

 

仕上がりから逆算して 色々手法はありますが

まずは「通気」「排湿」を丁寧に吟味する事が必要でしょう。

 

入る所を作ったら 出る所を作る。

 

これ 「気密」とは真逆に感じますが

気密層と通気層はセットで考えないとダメなんす。

 

どちらが欠けてもダメ。

 

屋根って年中過酷な条件で存在しています。

少しでも負担を減らして長持ちさせてあげましょう。

 

それが 住まう方の健康やお財布に直結します^^

 

断熱性能と恒久性能は同列に考えないとね。

 

アディ押忍。


気象庁が南海トラフ巨大地震への「巨大地震注意」を発表しました。

南海トラフが動くと岐阜県飛騨地方でも5強を超える揺れが想定されます。

 

【アイズブログ:岐阜県地震危険度マップ】

https://housingeyes.bijual.com/Date/20231227/

 

「5強」と言うと周期にもよりますが家屋が倒壊するレベル。

 

↓ 昨日の日向灘沖の地震でも家屋の倒壊が散見しています。


   

 

2階にいて閉じ込められた。

1階に居たら「命」が無かったかもしれません。

 

建物の揺れには特性があります。

いますぐ耐震なんて もちろん難しいと思います。

 

ただ「ここは比較的大丈夫」や「ここでの就寝は危険」

~と言う判断はつきます。

 

ご実家なんかも心配な事かと考えますが

簡単な目視で分かりますので宜しければ

お気軽にお声掛けください。

 

大きな事は出来ませんが 手の届く範囲だけでも

悲しみを減らせたらって思います。



オーダーメイドのスーツとは

その人の体のサイズに合わせ 好きな生地や

仕立て方法を自由に選べる縫製手法。

 

もちろんそこには「縫製の正しい基本」があり

一回着だけで そこら中解けるなんて事は有り得ない訳で。

 

ただそのオーダー感覚を「自由設計」と称し

ルールなき無法地帯な商圏が今の木造住宅自由設計。

 

大開口や大スパンは当たり前

柱直下率って何?おいしいの?

基準法に合致してるから全く問題ない!とか

そもそも基準法に照らし合わせているのかすら

怪しい物件もよく目にします(汗

 

前置きが長くなりましたww

 

こんな建物を見たんですよ。

900mm以上オーバーハングした木造住宅。

 

 

 

しかもオーバーハングは出隅部分あわせての2か所。

・・S造(鉄骨)かと思えは しっかり木造。

 

なぁーにー!?

   

 

これの何が不味いかと言えば、単純に直下率ですが

一番大きな力が掛かる部分の直下に支えが何もありません。

 

 

 

これを成立させる為には 横架材そのものを

強く大きくしなければイケマセン。

 

経済的な構造とは?

 

あと 水平を張り出した場合

最低でも張り出した分の倍寸法は控えが必要に。

 

 

 

あ 気づきましたね。

 

そうです。Y方向は良いとして X方向は?

 

 

 

その出隅(角)部分は?

床があって生活荷重があって 角に柱があって

梁があって 屋根があって 雪まで乗っかるのに・・

 

 

 

そもそもコレ構造成り立つの?って疑問ですが

許容応力度計算や品確法だと「等級1」すら満たす事が難しく。

 

水平構面と両立させる為にも過剰な構造が求められます。

 

あ、いえ、構造根拠があれば良いんですよ。まるっとダメだと言ってる訳では無いのです。


ただ

 

恐ろしいことに審査が義務化されていない

4号建物だとノーチェックで建てられます(滝汗

 

あぁ 来年から4号廃止だから安心だねって・・

これ壁量計算だけなら 壁量足りれば成り立つんですよww

 

四分割法も直下や床構面見ないので

https://housingeyes.bijual.com/Date/20210501/ 【四分割法とは】

 

この辺も壁量さえ足りればクリアできます。

 

はい。まともに計算すると建てられない建物が

まともに計算しないと建てれるんです(爆

 

いゃ 笑いごっちゃ無い。

 

と言うわけで、構造根拠にも「質」があると言うお話です。

 

「カッコイー」だけなら良いですが

わざわざ断熱損失部分を大きくして更に耐震すら無視する思考に

「カッコよさ」なんて存在しないと思います。

 

大開口やオーバーハングも良いですが

見た目の不安定さって実は結構 本質突いてるかもですよ。

 
オーダーメイドとは 正しい基本があって初めての選択肢。


そんなん当たり前なんだけど 当たり前ぢゃ無い事もあるんですね。


アディ押忍。




今年元旦からの能登や台湾・愛媛の地震を受け

最近は「制震装置」のご質問を良く受ける様になりました。

 

最近だとNewsなんかでも取り上げられるので

感心が高くなっているのかも知れませんね。

 

そこで本日は制震装置について。

 

制震とは地震エネルギーを吸収して

建物の揺れを小さくする装置の事。

 

こんなシミュレーションを見た事あるかと思います。

 (画像は新建ハウジングより)

 

 

右が制震装置×4ヶ所 左が制震無し(双方耐震等級1)

赤い壁が損傷していると言う事なので

やっぱ制震スゴイと感じると思うのですが(謎

 

そもそも躯体性能が「耐震等級1」と言うのがミソです。

 

そう 制震装置とは

制震とは地震エネルギーを吸収して

建物の揺れを小さくする装置の事。

 

許容応力度計算には「層間変形角」と言う基準がありますが

例えば地震時に1階の変形を23㎝未満に抑えられれば

繰り返し地震を受けても耐震性能は低下しないとされます。

 

その為の計算で 木造の場合は1/120と言う基準があります、

1・2階の寸法が3000mmだったら25mm未満。

 

1/200で計算したら15mm以上変形しない事が前提に。

 

となると制震装置効く?って話になりますよね。

 

ちなみに耐震等級1だと そんな計算すら無く

何センチ変形するかも分かりません(汗

 

最初の画像見てみましょう。

 

 

 

耐震等級1だから揺れる訳で(以下だったら更に)

揺れて初めて制震装置が効く訳です。

 

逆に数センチしか変形しない建物には

制震装置つけてもあまり意味が無いと言う事に(汗

 

コストを考えると まず建物は固く作る。

 

なので耐震等級1+制震装置では無く

その予算で 耐震等級を2や3に上げる事が先決。

 

ただ あの制震装置の実験映像見ると安心感強いですよね。

 

 

すごく気になって勉強させて頂いている「構造塾」に

 

「積雪乗せた(1.2m)耐震等級2+制震装置」と

「積雪乗せた(1.2m)耐震等級3」では

どちらか良いかとと聞いてみましたところ・・・

 

即答でw

 

「積雪乗せた耐震等級2はかなり余力ありますが

その2択なら まず耐震等級3!

予算都合付けは制震を考えても良いでしょう」との事。

 

やはりそうか なぜ日和ったオレ(笑

 

制震装置は繰り返しの押匹の面積が大きい程

制震効果が高いけど 現状ほぼデータは非公開(汗

 

結論として

 

まず固くて軽い建物を作る

資金に余力があったら制震装置も視野に。

ただし効くかどうかは未知数w

 

そんな感じが現状の答えと言えそうです。

 

制震装置 一度検討した事あるんだけど

・・高いのよねぇ(

 

いえ 制震装置はダメと言ってる訳では無いですよ。

 

優先順位のお話です^^

 

制震装置つけて地震に強いです!ってセールス見たら

すこし立ち止まって俯瞰する事も良いかもしれません。

 

アディ押忍。



珠洲市の様子

 

現在Googleストリートビューにて

数か所ですが2月頃の能登が見られるようになっています。

 

https://star.rcast.u-tokyo.ac.jp/suzu-street-view/

 

復興も進んで来ている様ですが 何処を見てもこんな感じで・・

でも奥の白い家は大丈夫そうです。 




て・・通気胴縁が見えるので築浅かと思われますが

あまりに不自然な壊れ方。

 


ちょっと進んで振り返るとこんな感じ。

 

 

 

なるほど、道路向かいの倒壊建物から

何か大きな飛来物があったと想像出来ます。

 

道路部分のみ通れるようになっていますが

被災時は道路が使えない位 飛来物が散乱していたと思われます。

 

それでもこちらの家なんかは デザイン的に見ても最近の建物で

外部からは損傷が確認されません。

 

 

 

2000年以降の耐震基準かと思われます。

 

内部は分かりませんが たぶん住み続けられるのではと。

 

ただ、たぶん建て替えなのでしょうね

この家のブロック塀は倒れていました。

 

倒壊していた建物の典型的な原因がコレ

 

 

 

正面に全く壁が無い為 階上の重さを支えきれず折れています。

 

お隣さんにもたれ掛っていますね(汗

 

同じ通りで もっと古い建物がこちら。

 

 

 

奥は3階建て申請かと思いますが

それなら構造計算が行われているので やはり損傷なく建っています。

 

その前の建物 黄紙らしきものが貼ってありますが

これだけ残っていれば 命は助かった事でしょう。

 

その分かれ目が この壁量。

 

 

 

筋交いや力貫等入っていたか分かりませんが

たぶん何かしらはあり、フル開口で無いだけで ちゃんと命は守れています。

 

それに対して向かいの家は・・・

 

 

 

この辺が明暗を分けている要因かと。

 

能登地震 細かい資料が揃ってきましたが

ボランティアも考えつつ細かく検証していきたいと思います。

 

あと

 

台湾も加油!

 

地震、他人事では無いですよね。




寄棟の収まり墨付け悩んでるの図(笑

 

 

 

寄棟屋根ってのは、こうやって隅部両側から寄せていく屋根の事。

 

 

 

あと!良く見て、屋根垂木のブロッキングは30mm開けて通気層に。

 

 

 

屋根下地作ると見えなくなっちゃいますが・・

 



下から入れた通気を棟まで誘導して「棟換気」で外気に抜きます。

 

 

 

通気大切。うんうん。

 

てか、この垂木の背は高いと思いません?

 

 

 

この黄色線間のスパンを飛ばす為です。

 

以前は大きな垂木でスパン飛ばしてたのですが、最近はツーバイ材が高くて使えないと言う(汗

 

ちなみに大きな材料でも、軒先はカットして見えかがり高さを抑えます。

 

 

 

もひとつちなみに、本屋部分は母屋スパン(縦の黄色線)が狭くても勾配あって作業出来るので、垂木は下屋より小さく90mm高としています。

 

 

 

垂木背が低い事分かりますよね、

登り梁としていますが、その母屋スパンは910mmにて。

 

 

 

話は戻って寄棟の垂木現わし(オープンコーニス)完了の図。

 

 

 

下屋だけスパニッシュに仕上げようかと( ̄ー ̄)

 

垂木等々、塗装しますが可愛くなりますよぅ^^

 

デザインと構造は表裏一体ざますわよ奥さま(笑

 

改めて

 

2025年には壁量基準が変わります。

 

ちなみに今年は2023年、再来年の話ですね。

もう起こっている未来に備えるべきでしょう。

25年イキナリ不適格になりたくないならね・・と。

 

↓ 丸印がいわゆる2階建ての軽い建物で四角が変更案。

壁量1.5倍から2倍近くまで増えています(クリック可)

 

 

 

ZEH水準の住宅で基準法の壁量計算だけの場合

必要な壁量の半分ほどしか耐力壁が無い事に・・。

 

ZEH水準って、ここぢゃバカにしてますけど(笑

温熱だけでなく耐震も底上げされますからね。

 

家建てるなり最低基準とか・・最悪基準値以下にならない様備えましょう。

 

 

「建築知識」の最新号より

 

多雪地域で耐震等級を設定する場合は積雪荷重を考慮する。

 

なぜなら積雪荷重を考慮していない耐震等級3だと、積雪荷重を加えた途端に建築基準法をギリギリ成立する程度の耐震性能(等級1程度)になる事が多々あるからだ。

 

 

 

これ本当で、例えば弊社のある高山市国府町の法的積雪量は1.4mなので、その重さを載せて耐震等級2の家を成立させて、それをそのまま20Km移動させて下呂市で建てると、耐震等級3を「余裕持って」楽々クリアすると言う事もおこる(笑

 

雪って重いの^^

 

ちなみに、建築基準法で定められている壁量計算は「積雪量」を加味していません。

 

ちなみに、建築基準法で定められている壁量計算は「積雪量」を加味していません。

 

大切な事なので2度言いましたよ(笑



断熱性能が分かりやすく可視化されています。

 

 

 

この凍結溶解を繰り返す事で、外壁も傷みやすくなる訳です。

正しい断熱は外壁の寿命も伸ばすんですね。

 

と、また断熱の話だと思ったでしょ。

 

気になったのはソコでは無く(笑

 

この可視化された筋交いが宜しくないなと。

 

画像の様な片側のみの筋交いは作用する力が一定方向。

https://eyescode.bijual.com/Date/20170205/ (6年前のブログ)

 

なので黄色の筋交いは直下に柱があるので、無理なく力を伝達できますが問題は赤色の筋交い。

 

 

 

直下に柱が無いので、一回横架材で横方向に力を逃す事になります。

黄色下の梁より大きな材料が必要になりますが(画像は同サイズの様ですがw)その下の窓とか外壁防水にも良くない影響を与える事も考えられます。

 

柱の直下率は大切ですが、筋交い下の直下率はもっと大切と言うお話でした。

 

この辺が4号建物の危うさでもある訳ですが、来年からは構造審査が始まるので、こんな事例も極端に減る事でしょう。うんうん。






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