先日のエントリにて
https://housingeyes.bijual.com/Date/20241015/
浮き床の意味と基礎断熱についてご質問受けたので,,orz
ツーバイ金物使って「浮き床」にしたのは横架材を鴨居の様に組んで
水平応力を構造に効かせたくなかったから。
そして こちら基礎断熱については基礎「内」断熱を採用しています。
こんな感じで土台の内側まで断熱施工すると良いかと。
アイズ的にはキホン基礎「外」断熱ですが
諸条件により基礎「内」断熱を採用する事も増えました。
ちなみに基礎内断熱にすると 外部に面したT字部分も
ちゃんと折り返して断熱しないと 冷えたコンクリートの熱が
そのまま基礎内に侵入してくるので要注意。
基礎内断熱のT字部分とはこちら
https://housingeyes.bijual.com/Date/20220924/
基礎外断熱の場合は 外部ぐるっと回しているので
T字での折り返しは必要ありません。
ん?
って 断熱材の位置を基礎の内と外で違うのか?
なんて疑問も浮かびますよね。
通常の断面で断熱材の位置関係を見るとこんな感じ。
斜線部が断熱材と見てください(クリック可)
同じ基礎断熱でも 熱損失で比べると基礎「外」に軍配が上がります。
単純に熱損失だけで比べると10倍くらい違うんですねこれが。
※それでも床断熱に比べると諸々のメリットが・・w
うちで基礎内断熱すると真ん中になりますが
図解だけでもなんとなくイメージ出来るかと思います。
コンクリートの蓄熱力って大きいですからね。
施工的に 基礎と断熱材は一体打ちになりますが
土台部分は 後から入れるのでこんな作業になります。
同じ「基礎断熱」でも種類や質の差があるよって話でした。
見よう見まねで採用するのは怖いですよw
比べ方がわかんなぁーいって時は
なぜ基礎断熱?なぜ床断熱?って理由を聞くのも
実務者や会社の方向性が分かって良いかと思います^^
アディ押忍。
1階床部分の断熱気密施工始め。
ん?床合板より下から防湿シート上がってますね。
通常は床合板施工してからの気密工事となりますが
こちら独立した水平面を作って 床そのものを持ち上げているんですね。
なので基礎部分から防湿シートは登ってきています。
固定は気密テープ&乾燥木材で必要十分。
床下はこんな感じ。
こちらは基礎内断熱を採用。
もちろん
内周部の壁部分は先張り気密で
管理できない気流は作らない事が基本。
断熱と気密はセットですぞ。
アディ押忍。
とあるパッシブ設計サポートグループの方とお話。
こんな感じの断面で Ua=0.3とか。
さすが なるほどなるほど 良い断面です。
6地域設定との事で 等級7よりの等級6クリアですね。
これくらいやると冬は快適ですよ!との事。
「でしょうね^^ うちUa=0.3以下を約束してるので・・」
すいません マウント取るつもりでは無いです(汗
でも 硬質断熱材の採用は高断熱への取っ掛かりとして
施工不安のハードル下がるので良い手法だと思います。
硬質ボードは施工管理が楽なのでアリですね。
ちなみに この断面でチェック必要な所は↓の編。
下から「窓上の通気」
外壁の最上部「屋根への通気」
軒天のからの通気「棟までの滞りない通気」
青丸は「ちゃんとそんなカットできる?」
まぁ その辺は発泡ウレタンで補完すれば良いですけどね。
こちら「高性能」と言われるフェノールフォームにて
確かに既存断熱材の中では断トツに良い性能値です。
ちなみに この硬質断熱材の熱伝導率は「λ=0.020W/(m・K)」
参考までにアイズ標準のHGWの熱伝導率は「λ=0.038W/(m・K)」
熱伝導率はこのλ値が低い方が熱を通しにくいと言う数字なので
比べるとフェノールフォームに楽勝で軍配上がりますね。
フェノールが高性能と言うのは嘘ではありません。
って訳で、この断面で比べてみましょう。
赤断面は半分以上が木材で 断熱性能は落ちますが
柱や間柱部分も同様なので外張り付加断熱が有利な事は
この断面でも良く分かりますね。
そこは同条件なので今回は無視しますが
分かりやすく黄色部分の断面熱抵抗値(R値)で比べてみましょう。
この断面で使われるフェノールフォームを「F」
アイズ標準の高性能グラスウールを「HGW」とします。
外張りF厚みは窓掛かりから見て60mmって感じですね。
【F】壁R値=4.75 W/㎡・K/W
【HGW】壁R値=4.51 W/㎡・K/W
おおっ
弊社標準の方が0.24 W/㎡・K/W性能低いです。
0.24Wと言うと高性能グラスウール9mm分です。
誤差っぽいですが負けは負け(笑
ただし
コスパで見てみるとどうでしょう?
HGWの場合は↓画像の様に防湿シートや
矢印の様な気密施工が求められます。
その分の費用が余計に掛かりますが その手間分加味しても
フェノールフォーム採用の方がザックリ「倍額」掛かります。
単純にHGW採用で50万円の所 100万円前後掛かる事に。
HGW9mm分性能低いけどザックリ50万円安いと。
屋根も見てみましょう。
フェノールフォームは60×2で120mmで見ます。
【F】屋根R値=6.0W/㎡・K/W
【HGW】屋根R値=10.52W/㎡・K/W
あれま
屋根は弊社標準の方が4.52 W/㎡・K/Wも性能高いですね。
でも細かい事言うと壁と屋根の断熱性能は
壁1に対して屋根2くらいが常套手段。
それくらい屋根は過酷な訳ですが
どんなに壁の性能高くても屋根が弱いと夏季悲しい事に。
アイズ標準と抵抗値を比べてみてください。
そして
コスト的には両者でほぼ同じか HGWの方が安い位。
倍近く性能が良いのにですよ。
同じ性能なら安い方が良いでしょ
同じ金額なら性能高い方が良いでしょ
性能高いのに安かったらゼハハハくらい笑えるでしょ(もう良い)
「高性能の断熱材を使っているから高断熱」と言う主張に
何の根拠もない事が分かると思います。
断熱性能は素材の性能ではなく
素材性能の厚みと施工精度で決まるのです。
そんなこんなのコスパで見る断熱構成。
もちろん硬質ボードをディスってる訳では無いですよ。
何にでも一長一短はあります。
今回はコスト&性能で比べましたが
「家の性能には根拠が必要」と言うお話でした。
ちなみに冷房より暖房の方がエネルギー使いますよ。
アディ押忍
南向きの庇
この後どうなりますか?とのご質問。
これですね 壁から軒が1500mmくらい出てるのですが
半分くらいまでガルバリウム鋼板で
あと少しは透明のポリカーポネートで仕上げます。
敷地にもよるのですが 全部屋根で覆ってしまうと
冬季のダイレクトゲイン日射が遮られるから。
こんな感じ。
夏季の日射は遮蔽しつつ 冬季の日射は窓から取り込む。
これもケースバイケースなんだけど
軒の出欲しいとは言え あまり出すと暗くなりがち。
視線が遠くまで伸びれば別ですが
町中で貴重な冬季日射モッタイナイしと。
こんなアナログな日射操作が 冬の心地よさを左右しますよ^^
お庭と繋がろ。
アディ押忍
先日のYKKフェアにあった実験装置
冷蔵庫に樹脂枠とアルミ枠の窓が付いてまして
枠の結露状態が可視化してありました。
冷蔵庫なので内部は5度くらいかな。
上段が「樹脂枠トリプルガラス」
枠が22.3度でガラスが23.1度。
ま 展示場内そこそこ気温あったし こんなもんでしょ。
下段が「アルミ枠ペアガラス」
枠が9.5度でガラスが15.5度。
それよりエアコン効きまくってる展示場内でこの結露(クリック可)
冷蔵庫はそのまま冬
もしくは真夏の外だとイメージすると
どれだけ開口部が熱の出入り口になっているかが分かるかと思います。
信じるか信じないかは貴方次第。
(いぁ手品でもオカルトでもないけどw)
今更ですが それでもアルミ枠使いますか状態(笑
この辺は計算式乗せるまでも無いですね。
百聞は一見に如かずです^^
開口部は枠とガラスで出来ていますよ。
アディ押忍
こちら基礎の内側に断熱材を張り詰める「基礎内断熱」
外気に接する部分は R値4.5を土台部分まで上げて熱損失を最小限に。
基礎がT字に組まれるところは折り返しで断熱施工が必要なんだけど 基礎計画からT字を減らしておくと そこでも熱損失を減らす事に。
全部チェックしてから床合板施工へと続きます。
で
基礎断熱でも管理できない壁体内気流を抑えるために
柱下は全て気密テープ留め。
外周周りは更に乾燥木材で留めます。
もちろん それは2階の柱も同様。
最終的に天井や屋根部分も留めて家中すっぽり気密層の中に。
見えなくなる安心。
これ中途半端にやるとお金の無駄に(汗
大切に丁寧に子供を育てる様に^^
ピロティガレージは車置くだけだとモッタイナイ。
屋根と壁はあるけど風は抜ける。
雨は当たらないけど気温は外。
でもなんとなく心地よい。
そんな不安定な半外も「快適な室内」と言う
「避難場所」があれば楽しい居場所に。
繋がる暮らし~隙間が無ければ作れば良いのですよ^^
てか いぃ写真だ(^^♪
まだまだ残暑厳しいですが そろそろ夏も終わりでしょうか。
まだ熱いうちに ひとつ実験でも・・と思ったのですが
実験するまでも無く経験則で判るでしょって話を。
夏になると「断熱とか気密は意味がない」と言う話が沸いてきますがw
そんな事無い事は こちらお読みの方ならご存じでしょう。
単純な比較としてジュースを冷やしてみましょうか。
2つの容器を準備しましょう。
段ボールとクーラーボックス(出来ればクーラーボックスは2個)でOK。
その中に氷とジュースを入れます。
そして炎天下に木陰の下に3つ並べまてみます。
さぁ どこに入れると一番溶けないで冷え冷えのジュースが飲めるでしょう?
実験の必要無いですよね(笑
これ、氷がエアコンで入れ物が住宅と考えます。
段ボールに入れた氷は 予想通り最初に溶けるでしょう。
それが断熱の低い住宅。
蓋開けたクーラーボックスが気密性の低い断熱住宅。
通常のクーラーボックスが気密性の高い断熱住宅です。
ちゃんとした断熱住宅でも気密性が低いと 外気と内気が混ざりやすいってイメージできますよね。
って訳で「夏にも断熱や気密は効く」と言うお話でした。
そそ
夏の外気温は窓から入ってきますから 窓の性能はもちろん窓外での日射遮蔽は 何はさておき一番に考えなきゃですよ。
アディ押忍
鹿児島県錦江町の中学生が5~7日、町長室の断熱化改修に挑戦した。町の新規事業で、中学生が持続可能な開発目標(SDGs)を進めるワークショップ。カーペットを敷いていた床にヒノキを張り、木のぬくもりがある和の空間が出来上がった。
https://373news.com/_news/storyid/199544/
新田敏郎町長(58)は「夏は暑く冬は寒い町長室が快適になった。断熱化改修やワークショップが広がっていけばうれしい」と話した。
ほっこりする話・・
な訳あるか!!
町長が学校の断熱改修進めんかい!ww
違和感しか無いNEWSでした(笑
昨日「高断熱の家は暑い!?」のエントリにて
冬暖かく感じるなら「等級5」位はクリアしているのでしょう。
https://housingeyes.bijual.com/Date/20240807/
~なんて書きましたら「あれ?等級5はダメなのでは?」
なんてお問合せを頂きました。
あざす^^
ダメとは言いませんが 無理です勿体無いです(同じかw)
その物語の主人公さんが 新築の前はアパート住まいとの事で
アパートや建売程度の断熱性能からの住み替えなら
断熱等級5でも暖かいと感じるハズですので(笑
さて来年ようやく始まる「省エネ義務化」ですが
なんだかんだ ↓の断熱等級4レベルです。
正味な話 等級4なんて何も考えなくてもクリアできるレベルなんだけど
最近の大手HMの新築アパートがギリギリそのレベル。
アルミ+樹脂のペアガラスが入っていれば大体クリアしてるかと。
そんな性能から住み替えれば 等級5でも冬は暖かく感じる事でしょう。
ただ 日射を考えていないと夏はバカ暑いかと。はい。
そんな意味での「等級5」のお話でした。
アイズ的には(てか健康や資産とか投資的には)0.3以下はクリアしたい所。
等級5から等級7に住み替えると感動しますよきっと(笑
思考のベースを何処に置くかで変わりますが
例えば20年前の軽トラに乗ってる人が 今のプロボックス(バン)に乗ったら
なんて静かで走りやすいんだ!と感じるでしょうし
リッターカーに乗ってる人がベルファイヤに乗れば広い!と思う事でしょう。
更にポルシェGT3なんかに乗っちゃうと(もう良いw)
じっさい家は車より 所有して体感する事が難しいのは確か。
やはり数字や施工精度の確認は重要かと思うのです。
って訳で 机上の話はもちろん建築途中の現場見学も受付中ですよ。
転ばぬ先の杖 かしこく快適に暮らしましょ^^
【 ハウジングアイズ 】では、飛騨高山にてパッシブな高断熱思想を用いて、恒久的な省エネ快適住宅を御提案しております。